ハイブリッドコンサルタント

2014年9月13日土曜日

【書評】企業内診断士、被災地での挑戦

企業内診断士、被災地での挑戦~「気仙沼バル」成功の裏側~



同じ「企業内診断士」という立場の者として、できる限り自分ごとに引きつけて読んでみました。ちょっと嫉妬心を覚えてしまうなほどです。企業内診断士のひとつのローモデルがここにあります。

<目次>
第1章 企業内診断士交流会に端を発した被災地での活動
第2章 企業内診断士、気仙沼バル開催への挑戦
第3章 気仙沼バルの運営・分析と提言
第4章 気仙沼バルにおける人とのつながり


所属する企業の枠を超えた診断士グループが、被災地・気仙沼の仮設商店街支援に取り組んでいる、そのレポートです。「気仙沼バル」というイベントを立ち上げて、それを継続しています。(すでに3回開催し、来年の4月も予定されています。)

この本、第4章をぜひ読んでほしいです。この章は支援した診断士が書いているのではなく、支援先の3つの仮設商店街の方をはじめとする気仙沼の方々のインタビューや寄稿を中心に構成されています。いかにこの活動が地元の人に受け入れられ、今後も期待されているかわかると思います。

去年の9月の終わり、第二回気仙沼バルの前の週に気仙沼に行きました。復興屋台村で飲んでいたのですが、バルの話題はかなり聞きました。当時まだ登録が終わってなかったのですが、同行していた人が
「この人、診断士なんですよ」
と紹介されたりすると、感謝の言葉をかけてくれたり、熱を込めてバルへの期待を語られたりする店主の方が何人もいらっしゃいました。(僕自身はこの活動にまったく関わりがあるわけでもなく、なにかをしたわけでもないのですが(苦笑)、診断士というだけでそういう風に声を掛けてくれる方がいたのです)

つまりそのころから、こうした活動は意義深いと思っていたし、ある意味、関わっている人が羨ましいなあ、と思っていたわけです。

特に「第二回」ということを聞いて、素晴らしいと思いました。気仙沼バル自体はこの記事を通して知っていました。⇒J-NET21「気仙沼復興支援プロジェクト第2弾「第一回気仙沼バル」―仮設商店街に地元客の賑わいを」

「第一回」とあるので第二回もあるのだろうと思ってはいたのですが、9月は最後の実務補習やらなにやらでばたばたしていて、バルのことはチェックしないまま気仙沼に向かいました。現地で第二回が翌週にあると知ったのです。

イベントを一過性に終わらせず継続されていることを現地で知しりました。一部の方ですが、現地の方のお話しも聞けました。継続的に支援先に寄り添うことがいかに大切かということを、現地の方のお話聞きながら実感したように思います。

こうした、僕が感じたことを第4章を読んでいただけたらわかっていただけるのではないかと思います。

第1章~第3章は、この活動に関わった診断士の方が書かれています。多くの方が分担して執筆しているので最初は読みにくいかもしれません。でも、慣れてくれば、さまざまな角度からこの活動を知ることができるし、それぞれの方がどんな想いで関わってきたのか、わかると思います。

多様な読み方ができる本です。パラレルキャリアを考えたい方、復興支援について考えたい方、(復興云々に関係なく)町おこし事業について考えたい方。それぞれの立場で得ることがあると思います。

僕自身は、診断士の端くれとして、自分のこれからの診断士活動をどのようにしていけばいいのか、あらためて深く考えるきっかけになりました。自分も動かなきゃ、という衝動がむくむくとわいてきました。一人じゃなにもできないかもしれませんが、動き出さないとなにも始まらないので。




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