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2014年2月14日金曜日

【研究会】実践経営勉強会~中小企業でもできる、営業がいなくてもできる、売り込まない「売れる仕組み」作り

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城北支部(台東区診断士会)の「実践経営勉強会」に参加してきました。
今回のテーマは
『中小企業でもできる、営業がいなくてもできる 売り込まない「売れる仕組み」作り』
でした。





業務の関係で40分ほど遅れて行ったので前半は聞くことができませんでした。資料を見る限り、前半は顧客の購買プロセスの分析を通して、「売れる仕組みづくり」の必要性と、作っていくステップを説明されていたようです。

僕が席に着いたときは、ちょうど「中小企業でもできるしくみ」ということで企業のPR活動について説明されていました。
PR活動とは「自社のあるべき姿を周りの人々に正しく理解してもらうための活動」と定義されていて、誰に向かって行うかというと「社会、株主、取引先、顧客、社員」ということでした。
ここに「社員」が含まれているわけですが、この点を見落としがちだと感じました。実は社員が会社のことをよくわかっていないということはよくある話です。自分の目の届く範囲の職場だけはわかった気になって、全体を理解できていない例は山のようにあります。PRは社員に対しても必要だ、という意識を持つだけで少し違った展開があるように思います。

その後、PR活動の具体例を説明していただきました。
1、名刺+1分トーク
2、カタログ
3、プレスリリース
4、ニュースレター
5、展示会・セミナー
6、ショールーム化
7、会社案内(「知的資産経営報告書」を利用)

それぞれが突っ込んで話せがそれだけで1回のセミナーになるような事柄です。今回はあくまで、こうしたことに取り組んだことのない企業に対して「こうしたこともできますよ」と紹介するレベルでの解説でしたが、それでも、いますぐ取り組めることもありましたし、今後のヒントになるようなこともありました。

たとえば、名刺に関して「キーメッセージ」を一言入れる、というのはどんな会社でもほとんどお金をかけずにすぐできることだと思います。そのキーメッセージは、名刺交換の際のちょっとしたトークにも役立ちます。
例としてあげられていたのは
「常連のお客様をひいきにする美容院です」
「お客様の一生の思い出をつくる会社です」
「運転免許取得だけでなく、ボランティア活動で成長できます」
など。

こうしたメッセージは相手に残ります。短い一言は時に「強い」言葉になって相手に届きます。問題はそうした言葉をどうやって作っていくか。名刺に一言刷り込むことは簡単にできますが、その言葉が響かないものだとしたら、あまり意味があるとは言えなくなります。

まず、どういう言葉をつくればいいのか、学ぶ必要はあると感じました。
たとえば

伝え方が9割

という本などで研究してみるのもいいかもしれません。

あと、「知的資産経営報告書」というものを僕は知らなかったので(苦笑)なるほどな、と思いました。
「知的資産経営報告書」は企業が有する技術、ノウハウ、人材など重要な知的資産の認識・評価を行い、それらをどのように活用して企業の価値創造につなげていくかを示す報告書です。
「財務諸表」を開示して、企業の価値をステークホルダーに知ってもらおうとしている企業が多いと思いますが、それではなかなか真の企業価値は伝わらないと思います。財務諸表は過去の数字上の実績を示すものですから、技術やノウハウ、人材などについて十全な評価ができるとは限りません。「知的資産経営報告書」を作成することで、そうした点を補える可能性があると感じました。そしてそれをそのまま「会社案内」に利用するのは効率的でかつ有効な手段だと感じました。

*「知的資産経営報告書」の具体例は⇒ 知的資産経営のすすめ-近畿経済産業局

営業職出身としては「営業がいなくてもできる」と銘打たれると内心穏やかではないのですが(笑)中小企業、特に小規模企業の場合などは専門の「営業職」がいないこともよくあります。それでも売っていかないと企業として成り立っていかないわけですから、何らかの施策は必要になります。その意味で、今回紹介していただいたさまざまなPR活動は、(営業の人海戦術が使えない)小さな会社こそ取り組むべきことだと思いました。

ただ付け加えると、こうしたPR活動を行う上で、営業の「マインド」は必要になります。営業マインドがない人がPR活動をしても、お客様に届くようなものはできないと思います。そういう意味で、どんな人でも営業思考を学ぶ必要はあると感じています。

<参考記事>
【読書】伝え方が9割 / 佐々木圭一|THE ONE NIGHT STAND~NEVER END TOUR~