ハイブリッドコンサルタント

2014年2月3日月曜日

【書評】一生食っていくための「士業」の営業術/原 尚美

一生食っていくための「士業」の営業術/原 尚美




以前一度読んではいるのですが、診断士登録も終わったという子であらためて読み返してみました。

今すぐ独立する気はまったくありませんがだからといって、定年まで企業内診断士を続けるつもりもありません。どこかのタイミングで、いまのイメージでは定年5年前をターゲットに、独立して勝負できるようになりたいとは思っています。

そういう意味でとても参考になりました。具体論については、独立して活動していないと理解しにくい部分もあったのですが、その手前の、心構え、志の部分で肝に銘じておくべきことが多々あると思います。

一番これは常に考えておかないと、と感じたのは


お客様である社長が一番相談したいのが「経営の相談」です。それなのに実は私たち士業が最も苦手なのが「経営の相談」です(p24~25)

これは、士業の人は資格を持たずに起業するような人と違って「看板を出して名刺を作れがお客様はくる」という意識がある、つまり、自分で独立してビジネスをしているのに、お客様である社長さんたちほど真剣にビジネスをとらえていない、という文脈で書かてていた一節です。

僕の資格は「中小企業診断士」です。具体的な独占業務はありません。一般的な意味での「経営の相談」に乗ることが仕事になります。苦手だなんて言ってたら話にならないわけです。

でも、苦手になる要素はふんだんにあります。まして、独立しないで企業内診断士として活動する間は、僕自身が個人事業主ですらないわけです。そこで、どこまで真剣にクライアントの立場に立って寄り添うことができるのか、、よほど心がけないと、役立たずになりかねない、と思ったわけです。

そこで大切なことは

「ミッションがなければ、士業の仕事を続けることは大変な時代になった」ということです。(p53)

ミッションは、やっていく中で変わっていくとは思います。僕自身、診断士試験を受けよと思った動機と、2次試験に向かっていったモチベーションと、合格してから今日までの間で考えていることは、変わってきています。

ただ、「『中小企業』診断士」というからには、中小企業を元気にするための活動をしたい、その線だけははずさないでおきたいと思います。
自分のキャリアアップのためだけに使うのではなく、国家資格なのですから、それなりの使命を持って臨みたいと思っています。

そこで、

士業が「商品力」を磨くためには、自分の発言に自信が持てるように、まずは勉強しなくてはなりません。(p171)

ということになるのでしょう。試験が終わったから勉強は終わり、といわけにはいきません。
いままではと違った形での勉強が求められます。、現場に出て学ぶこと、机の上で学び続けること、やるべきことはたくさんあると思います。自分のどんな得意を活かしてまわりに貢献できるのか、考えながら勉強は続けなくては、と思いました。学びの場はたくさんあります。診断士は研究会活動も盛んですし、それ以外にも、いままで関わってきた多くの学びの場所があります。それを有効に活用しながら成果をもって貢献できるように自己研鑽を重ねて行きたいと思います。

そして、最終的には

私たち士業に求められるのは、目先の顧客満足ではありません。長期的な視点からお客さまにアドバイスをしなければならないのです。(p91)


時と場合によって、クライアントの意見に反対しなくてはならない場面にも遭遇することもあり得ます。それはとても難しいことではあります。でも「何によって貢献するのか」つまり「何によって対価を得るのか」を考えれば、避けては通れない道だと思っています。
どう伝えれば真意が伝わるのか、そうした研鑽と覚悟も必要になるのだと思いました。